韓国語の「あなた」と日本語の「あなた」の違いって?韓国語のあなたについてご紹介
必修科目だった英語では、あなたを意味する「You」が頻発するので、慣れるまでは違和感でしかなかったのではないでしょうか。英語をはじめとしたゲルマン語族といわれる、ヨーロッパの言語は、とにかく「あなた」です。
では、韓国語ではどうでしょうか?日本語と似ているといわれる韓国語、確かに英語のようにあなたばかりいうことはありません。ですが、日本語のあなたの概念とはちょっと違うところもあります。
そこで今回は、韓国語のあなたと日本語のあなたの違いについて、韓国人たちの日常会話とともにご紹介していきます。
韓国語のあなたって「タンシン」じゃないの?
韓国ドラマでは당신(タンシン)に対して「あなた」と翻訳されています。韓国ドラマの新作を追いかけているくらい韓国ドラマ漬けの人だったら、一度や二度ではすまないほど耳にしているはずです。韓国語のテキストでも、당신(タンシン)=あなた、夫婦間でいうことがあると説明されていることもあります。しかし、実際の韓国ではちょっと違います。
夫婦では당신(タンシン)というよりも여보(ヨボ)~というほうが一般的です。韓国ドラマでも新婚夫婦が여보(ヨボ)~여보(ヨボ)~とイチャイチャしています。당신(タンシン)と呼び合うことはほとんどありません。喧嘩をしたときに、あえて여보(ヨボ)ではなく당신(タンシン)という使い方があるくらいだそう。
では、당신(タンシン)とはどんなシーンにふさわしいあなたなのでしょうか。韓国国内でみかけるハングルの広告にヒントが隠されています。
내일의 당신에 이것 1병(ネイレ タンシネ イゴッ ハンビョン/明日のあなたにこれ1本)
こんなキャッチフレーズがあふれています。商品のパッケージにプリントされていることも。韓国語の당신(タンシン)は話し言葉としてではなく、広告、あるいは文学作品における文語で使用されているのです。
他人にも당신(タンシン)ということはあまりありません。相手の肩書がわかっていれば문팀장님(ムンティンジャンニン/ムンチーム長)、特に肩書がない場合は 김다현씨(キムダヒョンッシ/キムダヒョンさん)という言い方をします。日常生活で당신(タンシン)はほとんどいわないのです。
韓国語のあなたって「ノ」でいいの?
韓国語で너(ノ)というと、ちょっと乱暴な言い方な気がする……という日本人も珍しくないようです。韓国ドラマでも目上の人物が目下の人物に向かって、偉そうにあれこれ言っているようなシーンがあるのも理由でしょう。日本語に翻訳するとき、あなたではなくあんたとされることもあります。相手によって失礼になることもあるので、気を付けなければならないことは事実です。
自分と親しい関係で、自分と同世代か年下である相手に너(ノ)を使うことができます。夫婦間でも相手が年下であれば、「あなた」という意味にならないわけでもありません。実際に、韓国で頻繁に너(ノ)が飛び交っています。男子高生や女子高生たちのグループが、너 (ノ)!と言いながら楽しそうにしている様子があちこちでみられます。
相手が自分よりも年下であったとしても、ビジネスシーンにはふさわしくありません。プライベートでも親しいという関係があれば成立するでしょう。そのため、相手によっては너(ノ)とばっかりいってしまう、限定的なあなたであるという認識を持っておくといいかもしれません。
韓流時代劇の韓国語だと「クデ」
韓国の時代劇、李氏朝鮮王朝の両班が그대(クデ)といいます。日本語であなたと翻訳されていることから、韓国時代劇好きな日本人が그대(クデ)=あなたと勘違いしてしまうことも。ですが、これを日常生活でいってしまっては恥ずかしいことになってしまいます。
日本の時代劇さながら、「そなた」「そち」といっているようなものなのです。言うまでもなく、現代の韓国人はいいません。時代劇だけの言葉、昔の朝鮮人の言葉だということを覚えておきましょう。
韓国時代劇のファン・ジニのOSTにも、그대 보세요(クデボセヨ/あなたを想い)でも그대(クデ)があなたとして使用されています。그대 못잊어 헤매여도는 내맘인줄아세요(クデ モンニッジョ ヘメヨドヌン ネマンインヂュルアセヨ/あなたを忘れられず、さまよう私の心だとお思いください)、그대 그리워 목놓아우는 내맘인줄아세요(クデクリウォ モクノマウヌンネマミンジュラアセヨ/あなたが恋しいあまり、声をあげて泣いている私の心だとお思いください)というような、綺麗なあなたの表現に触れることができます。
まとめ
韓国語のあなたは당신(タンシン)だとインプットしている日本人はたくさんいますが、韓国人はそれほど당신(タンシン)をいいません。広告であったり、文学的な表現であったりでみられるものです。夫婦だったら여보(ヨボ)、ビジネスだったら名字に肩書、あるいはフルネームに씨(さん)をつけます。親しい関係だと너(ノ)という言い方もできます。韓国時代劇の그대(クデ)も、知っているとより物語に感情移入ができるに違いありません。
日本語と似ているようで似ていない韓国語の「あなた」の概念に、韓国語のおもしろさを感じることができるのではないでしょうか。
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