韓国語コラム | 韓国語には「ず」の音がない!?どう書く?母音・子音が他の日本語と違う理由

韓国語には「ず」の音がない!?どう書く?母音・子音が他の日本語と違う理由

韓国語では、「ず」という音がないということを聞いたことはありますか?

日本語のざじずぜその「ず」です。

日本語の五十音(あいうえお)の音はほとんどが韓国語で書くことが出来ますよね。韓国語で使っている文字・ハングルは子音と母音が組み合わさってできていて、音の数・種類でいうと日本語よりも韓国語の方が多いので、「ず」の音が韓国語にないというのはなんだか不思議に思うかもしれません。

しかし、韓国語を勉強したことがあってハングルが少しでも読める人は、日本語の「ず」が韓国語にはない音だということを聞いたことがあると思います。それはなぜなのでしょうか。また、「すずき」など日本語の名前で「ず」が付いている場合は韓国語でどうやって書いたらいいのでしょうか。

そんな韓国語と「ず」の音について調べて見たいと思います。

韓国語には「ず」の音がない!?

日本語の「ず」という音は、韓国語には存在しない音だということを知っていますか?

韓国語で使っているハングル文字は、子音と母音の組み合わせで成り立っている文字です。組み合わせで発音が変化するので、ハングル文字で表現できる音の種類は日本語よりもずっと多いはずなのですが、なぜ「ず」の音がないなんてことが起こるのでしょうか。

また、「ず」の音がないということは、日本人の名前や地名などの固有名詞に「ず」が付く場合はどうやって韓国語で書けばいいのでしょうか。

そんな韓国語と「ず」の音について、書き方や発音、そして「ず」の音がない理由を探ってみたいと思います。

韓国語で「ず」はどう書く?

まず、韓国語で「ず」はどうやって書けばいいのでしょうか。その疑問を確認するためにまずは日本語の五十音図を韓国語で書いてみましょう。

あ:아 い:이 う:우 え:애(에) お:오
か:가/카/까 き:기/키/끼 く:구/쿠/꾸 け:개/캐/깨(게/케/께) こ:고/코/꼬
さ:사/싸 し:시/씨 す:수/쑤 せ:새/쌔(세/쎄) そ:소/쏘
た:다/타/따 ち:지/치/찌* つ:쓰/즈/츠* て:대/태/때(데/테/떼)* と:도/토/또*
な:나 に:니 ぬ:누 ね:내(네) の:노
は:하 ひ:히 ふ:후 へ:해(헤) ほ:호
ま:마 み:미 む:무 め:매(메) も:모
や:야 ゆ:유 よ:요
ら:라 り:리 る:루 れ:래(레) ろ:로
わ:와 を:워 ん:ㄴ/ㅁ/ㅇ

韓国語は、子音と母音の組み合わせで書けるので、五十音図に並べてみるととても分かりやすいですよね。合わせて問題の「ず」も含まれた濁点の五十音図、小さい「ゆ」の付く五十音図も確認しましょう。

が:가 ぎ:기 ぐ:구 げ:개(게) ご:고
ざ:자* じ:지 ず:즈* ぜ:재(제)* ぞ:조*
だ:다 ぢ:디* づ:두 で:대(데) ど:도
ば:바 び:비 ぶ:부 べ:배(베) ぼ:보
ぱ:파/빠 ぴ:피/삐 ぷ:푸/뿌 ぺ:패/빼(페/뻬) ぽ:포/뽀
きゃ:갸/꺄/캬 きゅ:규/큐/뀨 きょ:교/쿄/꾜
しゃ:샤 しゅ:슈 しょ:쇼
にゃ:냐 にゅ:뉴 にょ:뇨
ひゃ:햐 ひゅ:휴 ひょ:효
みゃ:먀 みゅ:뮤 みょ:묘
りゃ:랴 りゅ:류 りょ:료

今回のテーマである「ず」は「ざじずぜぞ」の行にありますが、「자지즈재(제)조」と書くようですね。

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韓国語で日本語の「ず」は表記できない音

「ざじずぜぞ」は「자지즈재조」と書くといいましたが、日本語の五十音図に韓国語を当てはめた場合、「ざじずぜぞ」は「자지즈재(제)조」となりますが、韓国語から正確に文字を発音してみると「ざじずぜぞ」にはなりませんよね。

ざ:자* じ:지 ず:즈* ぜ:재(제)* ぞ:조*

「자지즈재조」は「じゃじじゅじぇじょ」という音の方が韓国語・ハングルからすると正しい音になります。

なぜこのようなことになるのでしょうか。これは韓国語で「ざじずぜぞ」を表現する子音・母音がないことが原因です。英語の音で見てみるとよくわかります。「ざじずぜぞ」の場合の子音は「Z」ですが、韓国語の子音に「Z」に相当する文字はありません。

そこで一番音が近い「ㅈ」を使うのですが、これは英語の音では「J」にあたります。その為、日本語の「ざじずぜぞ」は本来であれば「ZA ZI ZU ZU ZO」の音で表現したいところですが、できずに「JA JI JU JE JO」となるということです。

韓国語に「ず」の音にあたる子音がなく、一番近い音の「ㅈ」を使うためちょっと音が違ってしまうんですね。

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韓国語で「ず」だけ母音が他の日本語と違う理由

また、もう一つ、日本語の「ず」を表した韓国語は「즈」と書くことが多くなぜ他の「う」が母音の音と違って書くことになるかも不思議ですよね。

「あかさたな」→「아가사다나」
「いきしちに」→「이기시지니」 と書くように、同じ母音の場合、韓国語で書くと同じになるはずですが、「ず」だけちょっと違います。

これは、「ず」以外にも「つ」でも同じことが見られます。「つ:즈/츠」と書きます。普通なら「주 추」と書くはずですが、母音が「ㅡ」になるのはなぜなのでしょうか。

これは、「주 추」と書くと「ちゅ・じゅ」の発音になってしまうけれども「즈/츠」と書いた方がより日本語の「ず」「つ」に近ずく音になるからです。

どちらの文字を使っても、どうしても韓国語にはない音なので正確に書くことはできないのですが、どうせならより近い音になるようにと、즈/츠を使うことが多いようですね。

韓国語で「すずき」や「かずや」などはどう書く?発音は?

韓国語に「ず」がないということはわかりましたが、それでは日本人の名前や地名などの固有名詞で「ず」が付く場合はどうやって書けばいいのでしょうか。発音もどうすればいいのでしょうか。

すずき
かずや
すずか など、困ってしまいますね。

その場合は、
수즈키
가즈야
수즈카 のように、やはり一番近い音の韓国語で書くのが一般的です。そして実際に口に出して発音するときは、日本語の発音で「ず」と言えば大丈夫です。

韓国語の人も日本語の「ず」を韓国語では上手に発音できないことを知っています。なのでほとんどの場合「スズキイムニダ」と自己紹介をして「アンニョンハセヨ スジュキシ」のような会話になるでしょう。

しかし、外国語を完璧に他の言葉で表現するのは難しいということはよくあることです。韓国語独特の癖なのだなということを理解しましょう。

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韓国語には「ず」の音がない!?まとめ

韓国語には「ず」の音がないということを詳しく調べてみました。

「ず」の音がないからと言って、日本語が優れているとか、韓国語が劣っているとかそういうことは全くありません。むしろ日本語で正確に書き表せない韓国語の音の方がはるかに多いくらいなので、そういう風に考えるのはナンセンスと言えるのではないでしょうか。

使っている文字も言葉も違えばこういうズレのようなことが起こるのは必須です。むしろその違いやおかしさを楽しみながら韓国語と付き合っていってはいかがでしょうか。

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