韓国語の漢字語は語彙の70%!漢字文化圏・韓国の漢字事情を調査します
韓国語の漢字語は語彙の70%に相当するといわれています。韓国時代劇では庶民がハングルでやりとりしているようなシーンもありますが、ほとんどが韓国語を漢字で表記していることに気が付くでしょう。現代劇であっても人名・地名が漢字で表記されていることがあります。
韓国語はハングルで表記されるもの。このような認識であっても珍しくありません。ですが、韓国ドラマからもわかるとおり、朝鮮半島には漢字が浸透していて、現在でもその一端をのぞかせています。ひらがなとカタカナと漢字を併用する日本人にとっては、韓国の漢字事情が気になるところ。
そこで今回は、韓国語の漢字事情について調査をしてみます。
韓国は漢字文化圏というのはなぜ?
中国・殷王朝で象形文字から甲骨文字が生み出され、周王朝をむかえて実用性をともなうようになり、統一国家・秦王朝によって、それぞれの地方独自に存在していた文字を統一しました。やがてさらに実用性が重要視され、現在の漢字につながる楷書へと変貌したのです。
中国大陸では紀元前7世紀から7世紀という膨大な時間をかけて漢字ができあがりました。日本人にも馴染みがある三国志の時代では、未完成ではあるものの漢字は浸透していたというわけです。
そんな三国志の時代よりもさかのぼり、紀元前2世紀には朝鮮半島では漢字が使用されるようになっていたといいます。前漢の武帝により設置された漢四郡からもたらされたとみられています。日本に漢字が伝来したのは、三国時代より後になるのです。
それぞれ朝鮮半島と日本列島では漢字表記が認められるタイミングは違いますが、文字表記として実用化したのは、ともに自分たちの言葉を書き表す固有の文字を持たなかったためです。「当て字」というとわかりやすいでしょう。中国語の漢字の音で似ているものを、自国の言葉に当てはめていったのです。
ハングルが復活!韓国語の漢字の現状
朝鮮語は朝鮮固有の文字で表記できた方がいい。できれば、庶民にも浸透するような覚えやすいものがいい。識字率アップを目的にハングルが生み出されたのは1446年のことです。しかし公文書は依然として漢字表記であり、当初の目的ほど識字率はアップしませんでした。
ハングルが復活したのは近世をむかえてからです。教育の普及によってハングルの価値が見直されるようになり、ハングルと漢字の併用が始まりました。当時の新聞も見出しから本文にいたるまで、ハングルと漢字が混在しています。
大韓民国として独立すると同時に、韓国語を固有の文字であるハングルで表記するべきだという主張が激しくなりました。ですが、専門用語にも漢字語が多用されており、難しい語彙を理解するためにも漢字は残すべきだという意見もあり、議論が白熱しました。そのため<「50年文字戦争」/strong>などともいわれています。
それぞれの主張がせめぎあいながら、1948年にハングル専用法が制定されます。全撤廃とまではいかないまでも、義務教育で漢字が指導される機会はほとんどなくなりました。そのため、現在ではハングルでしか読み書きができない韓国人が大半を占めているのです。
ところが、近代になって漢字復活の兆しがみられはじめています。実際にハングルだけで前後の文脈から漢字語の意味がわからないわけではないが、漢字を取り入れた方が効率的であると実感している韓国人が少なくないからです。そのため、一部地域では初等教育の段階で漢字教育が実施され、漢字塾で漢字の読み書きを教わるこどもも増えています。
韓国語の語彙の70%が漢字語
韓国語の語彙の70%が漢字語であるといわれています。さらに、専門用語においては漢字語の割合は90%にまでのぼるとみられているのです。
専門用語は多岐の分野にわたります。医学・法学・芸術などの分野があげられるでしょう。医学用語から例をみてみましょう。「급성 위염(クプソンウィヨム)」は急性胃炎、「급성 간염(クプソンガンニョム)」は急性肝炎という漢字語になります。
ハングル学会の「큰사전(大辞典)」では総見出し語のうち50%以上が漢字語であるといわれています。このように、調査によっては一概にはいえないものの、韓国語の語彙に膨大な漢字語が含まれていることは事実です。
日本人韓国語学習者が韓国語を習得しやすい理由のひとつに、漢字語の共通点があげられます。日本語の音読みが韓国語の漢字語の発音に似ているからです。日本語の「社会」は「사회(サフェ)」、日本語の「会社」は「회사(フェサ)」となり、韓国語での漢字の読み方が、それぞれ「社=사(サ)」「会=회(フェ)」であることがわかります。
日本語に共通する漢字語をインプットするだけで、韓国語の50%から70%にあたる語彙を身に付けることができるともいえるのです。
まとめ
漢字文化圏である韓国では、自分たちの言葉を表記するために漢字を取り入れながら、ハングルを制定したり、ハングルと漢字の併用を実施したり、その時代ごとに韓国語を表記するための工夫をしてきました。
インターネットでつながることができるようになった現代では、SNSで知り合った韓国人とハングルで気持ちを伝えあうことができるのです。漢字復活運動をきっかけに、これからは日本人と漢字を含めて交流しようとする韓国人も出てくるかもしれません。
韓国語の漢字語を知れば知るほど、漢字文化圏である日本人にとってはおもしろい発見がたくさんみつけられます。韓国語に興味を持つきっかけにもなるかもしれません。
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