韓国語「クロㇺ(그럼)」の意味・使い方は?「クロン(그런)」との違いも解説!
韓国語の独り言や、会話を改めて始めるときなどによく聞かれる「クロム」というフレーズ、意味をご存知ですか?
カタカナで書くと「クロㇺ」ですが「クロン」と聞こえるという人も多いようです。
この「クロㇺ」という韓国語は「そうしたら、それでは」などの意味で使われるのですが、実は他にも似たような発音で意味が違う韓国語があります。聞き間違えやすい「クロン」もその一つ。
日本人が聞くと同じように聞こえて、日本語で書くと同じように書いてしまうのですが、韓国語では全く違う文字で、もちろん発音も意味も違うんです。
今回はこの「クロム」の正しい意味や使い方、そして間違えやすい「クロン」との違いを見ていきたいと思います。
韓国語「クロム(그럼)」の意味・使い方は?
「クロム シジャッカプシダ!」
これは韓国語の授業でもよく先生が生徒に使うフレーズです。
ハングルで書くと「그럼 시작합시다」となります。意味は「それでは始めましょう!」です。
授業の始まりなんかに、ざわざわしていたみんなが先生に注目し、「パン!」と手を打ちながら使っているイメージです。
「그럼(クロム)」の意味は「そうしたら、それでは」なのですが、この「그럼(クロム)」は、話題の転換なんかの時によく使われます。会話でもアクセントになりとても重要な役割を果たします。しかし、文字、文章ではあまり見かけません。主に会話で使われるのです。
それはこの「그럼(クロム)」が省略語だからです。詳しく見ていきましょう。
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韓国語「クロム(그럼)」は「그러면(クロミョン)」の略
韓国語「クロム(그럼)」は「그러면(クロミョン)」の省略語です。
「~면」の形は仮定形なので、意味が「そうしたら、それでは」となります。口に出してみると、「그러면(クロミョン)」より「クロム(그럼)」の方が簡単ですね。
もちろん「그러면(クロミョン)」もよく使います。会話で使うのは間違いというわけではありません。
そして、この「クロム(그럼)」ですが発音にも注意してください。日本語で読み仮名を書くと「クロム」と書くことが多いですが、実際の発音は、最後の「ム」は「ム」ではなく、唇を上下しっかりくっつけた「ン」と言うのがネイティブの発音に近いです。
「ん」の発音は日本語では「ん」の一文字だけで表しますが、韓国語や英語は「ん」にはたくさんの種類があります。英語で言うと「N」と「M」は授業でその違いをマスターするのに苦労したものですよね。韓国語は「ん」の発音はパッチムで表しますが、「ㄴ・ㅁ・ㅇ」の3種類に分かれています。
今回の「クロム」は「그럼」ですね。ㄴを使ったとてもよく似ている「그런(クロン)」という韓国語もあるのでややこしい・違いがわからないという人が多いようです。こちらは後でじっくり見ていきましょう。
まずは「クロム(그럼)」の方から見ていきます。
韓国語「クロㇺ(그럼)」を使った例文・フレーズ
그럼 어제 학교에 안 가고 놀러 갔어?
クロム オジェ ハッキョエ アン カゴ ノルロ カッソ
(それでは、昨日学校に行かずに遊びに行った?)
그럼 우리집으로 밥 먹으러 와!
クロム ウリジブロ パプ モグロ ワ)
(そうしたらうちの家にご飯食べにおいでよ!)
また、「だったら〇〇しなくていいよ!」のような日本語の決まり文句のように、「クロム(그럼)」を使うこともよくあります。
공부 싫어.. 죽겠다… / 그럼 하지마.
コンブ シロ…チュッケッタ…/クロム ハジマ
(勉強嫌だ、死にそう…/だったらやめな)
나 야채 싫어… / 그럼 먹지마!
ナ ヤチェ シロ…/クロム モッチマ!
(私、野菜嫌い…/だったら食べるな!)
お母さんが子供に言っている様子が思い浮かびますね。省略語なので、日常会話でよく使われることが多いです。ドラマでもよく出てくるので注意して聞いてみるとよいでしょう。
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韓国語「クロム(그럼)」と「クロン(그런)」の違い
韓国語「クロム(그럼)」の意味や使い方を見てきたところで、よく似ていて混同しやすい「クロン(그런)」との違いについて見ていきましょう。
韓国語「クロム(그럼)」は「그러면(クロミョン)」の省略語だと先ほど見ていきましたが、「クロン(그런)」の方は修飾語になります。
そんな学校 → 그런 학교(クロン ハッキョ)
そんな人 → 그런 사람(クロン サラム)
そんな車 → 그런 차(クロン チャ)
「クロム(그럼)」は「그러면(クロミョン)」も元々「そうだ」という意味の「그렇다(クロッタ)」が変化・活用しているものです。
韓国語の形容詞は現在連体形(名詞を修飾する形)で語幹にパッチムがない時語幹+ㄴとなりますね。さらに「그렇다(クロッタ)」はㅎパッチムが脱落する変則なので、連体形になると「クロン(그런)」になるわけです。
これは、どうやって使い分けるかは、それほど難しくありません。「クロム(그럼)」のほうは「そうしたら、それでは」の方は接続詞のように使われるので、前の話題を受けて、「そうならば」と次に何かが続くときに使われますし、「クロン(그런)」の方は名詞の前に来ます。
問題は、聞き分け・ヒアリングですね。先ほどもちょっと触れましたが、「ん」の発音は日本語では一文字で書き表していて、区別しないため、韓国語の「ん」の発音の区別、パッチムの違いがわかりにくいのです。
特に「クロム(그럼)」の方は、会話で使われることが多いのでスピードも速いことが多いので問題です。ヒントとなるのは、話している人の唇です。パッチム「ㅁ」の時の「ん」は上下の唇がぴったりくっついている発音になるので、見ているとわかりやすいと思います。
文章、会話をたくさん聞いて、聞き分けができるように練習しましょう。
韓国語「クロㇺ(그럼)」の意味・使い方まとめ
韓国語「クロム(그럼)」の意味・使い方を見てきました。使い方は覚えれば難しくはなさそうですが、発音・ヒアリングが「クロン(그런)」と似ていて、難しいのでちょっと大変ですね。
余談ですが、「クロン」というと、韓国で人気のアニメのキャラクターであるペンギンのポロロ(뽀로로)の飼っている赤ちゃん恐竜の「クロン」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
セリフはいつも「クロン!クロン!」とそれしか話せないかわいい黄緑の赤ちゃん恐竜のクロンです。(ワニだと勘違いしている人も多いそうですが恐竜ですよ!)
このポロロ(뽀로로)といつも一緒にいるクロンは、韓国語では「크롱」と言います。「クロム(그럼)」とも「クロン(그런)」とも違う「ん」の発音なので一緒に練習してみるのもおすすめです。
チョン スジョン
韓国ソウル出身、高麗大学で日本語・日本文学専攻、韓国語教員資格2級 2016年からK Village 韓国語でレッスンを担当。講師歴5年以上。 レッスン通算時間は約10,000時間、約400人の生徒に韓国語の楽しさを教えてきた大人気講師。K Village プレミア講師としてレッスンはもちろん、教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。
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